働き方を知る

井上桂一さん(観光ガイド)

ガイド班全体のレベルアップが私の使命です

上田地域シルバー人材センター所属

シルバー人材に登録したきっかけを教えてください

長年勤めた仕事をリタイアしてしばらく経った頃でした。40年以上も上田という観光都市に住んでいるのですから、せっかくだったら訪れる人たちに上田の魅力をお伝えする観光ガイドという仕事に興味を持つようになっていました。そんなとき、シルバー人材センターが主催している観光ガイドの養成講座を見つけ、参加したんです。それがとても面白かったので、観光ガイドになるために上田のシルバー人材センターに登録しました。

もともと日本史や勉強することが好きで、上田のいいところも結構知っているつもりでしたが、実際に観光ガイドをやることになってみると知らないことが多くて自分でもびっくりしました。上田の観光ガイドは、上田城を巡るコース、旧北国街道を中心とする城下町の町歩きコース、真田エリアや別所温泉と、定番コースだけでも広い範囲をカバーしております。それに、お客様からどこどこに行きたいというご要望があれば定番コースとは関係なくどこへでもご案内いたします。お客様からのご要望はすべて断らないのが上田シルバー人材センターの流儀ですからね。

ですので、知っていなければいけないことがたくさんあるんです。特に小さいお子さんからは予想もしなかった質問が飛んでくることもあるので、冷や汗をかいたこともありますね。新しいことを学ぶということがとても充実を感じられる体験ですし、おかげさまで上田の街に詳しくなりました。最近では、上田のことならおじいちゃんに聞きなさいって、家族にもとても重宝がられています(笑)。

これまでの仕事といまの仕事の違いは?

それまでは情報機器の開発職として働いていたので、お客様から面と向かって何か言われるということはまずなかったんです。それにひきかえ、観光ガイドは目の前にお客様がいますので、すぐに反応があります。そういうのは初めての体験だったといってもいいでしょう。
観光ガイドというのは、知識の押し売りになってしまっては駄目なんです。その方々に応じたガイドが求められます。ガイドに参加した方に楽しんでいただいて、また来てみたいと思っていただけるよう心がけてやっています。おもてなしの心というのでしょうか。開発職で働いていたときとはまったく違う日々ですので、そこが新鮮で、やりがいにもつながっています。

いまの仕事のやりがいや楽しさは?

今は観光ガイド班の班長を務めさせていただいていますが、ガイド班の人たちは皆さん勉強好きなので日々いい刺激を受けています。ガイド班の誰が行っても同じように質の高いガイドが提供できるようになるにはどうしたらいいか、ガイド班全体でレベルアップするためにはどうしたらいいか。それが班長としての私の使命だと思っています。最近は、趣味で旅行をしているときも、現地のガイドさんがどのようなガイドをしているのかばかり気になってしまうんです。旅行者というよりは観光ガイドの目で見ちゃうんですね。これはある意味、職業病ですね(笑)。